“風紀”はなぜいけないのか?

今回は、夜職においてたびたび問題視される「風紀」について取り上げます。
ここで言う“風紀”とは、キャスト同士やキャストとスタッフ、あるいはお客様との間で生じる私的な恋愛関係のことを指します。
一部の店舗では「風紀厳禁」が明文化されており、違反すればペナルティがあるほどです。
ではなぜ、ナイトワークの現場では“風紀”がNGとされるのでしょうか?

風紀がもたらす“感情の崩壊”

夜職の世界では、感情のコントロールがとても重要です。
キャスト同士は時にライバルであり、時にチームとしてイベントを成功させる仲間でもあります。
その関係性の中に“恋愛感情”が入り込むと、どうしてもバランスが崩れてしまうのです。

たとえば、売上や出勤数、指名状況が違う相手に恋をした場合、嫉妬や不公平感が生まれやすくなります。
また、関係が悪化した際に、私情が仕事に持ち込まれることも少なくありません。
「今日はあの子と出勤か…気まずいな」
「なんで私の方が売れてるのに、あの子とばかり話すの?」
そんな感情が、接客の空気にまで滲み出てしまうのです。

店舗運営が“感情”に振り回される

風紀は、個人間の問題だけでなく、お店全体の空気にも影響します。
とくに厄介なのが、“バレてないと思っている風紀”です。

たとえば、内勤と付き合っている嬢がいた場合、「ひいきされてる」「売上をごまかしてるのでは?」といった噂が立ち、他のキャストのモチベーションが下がるケースがあります。
また、あるホストが特定の客とガチ恋関係になった場合、他の顧客が離れていくという“営業的リスク”も高まります。

つまり、風紀とは恋愛そのものではなく、“仕事に感情を混ぜること”が問題視されているのです。

でも現実には“グレーな関係”だらけ

とはいえ、実際の現場では“完全なる風紀ゼロ”を貫くのはほぼ不可能です。
長い時間を共に過ごし、深夜まで一緒に働き、人生の悩みまで共有しているうちに、恋愛感情が芽生えてしまうことは避けがたい現象でもあります。

しかも、その関係が表に出ない限りは、“黙認”されていることも多いのが現実です。
なぜなら、売上が立っていてトラブルがなければ、店側としては「見なかったことにしたほうが楽」だからです。

そうなると、“バレない風紀”が安全で、“バレた風紀”だけが処罰されるという、非常に理不尽な構造が生まれてしまいます。

本当は「いけない」のではなく「扱いが面倒」

ここまでの話からも分かる通り、風紀がNGとされるのは「モラルの問題」ではなく、「管理の問題」に近いです。
恋愛そのものが悪いわけではなく、それによって起きるトラブルや感情の揺れ、他キャストの不満、売上への影響など“面倒な副作用”を避けたいだけなのです。

特に、グループ経営の大手やルールが厳しい店舗ほど、「風紀=面倒くさいトラブルの種」という認識が強く、初期の段階から厳重に線を引いている場合が多くあります。

最後に:恋愛は“自由”でも、“責任”はついてくる

夜職において、恋愛が完全にタブーというわけではありません。
ただし、それが仕事や人間関係に与える影響まで考えられるかどうかが問われます。

こっそり付き合っていたはずが、SNSの裏垢で発覚。
喧嘩別れした結果、職場で無言の空気戦争。
そういった“仕事を壊す恋”をしないために、自分の感情と立場を冷静に見つめる必要があるのです。

風紀が“いけない”のではありません。
それが引き起こすものに、責任が持てない状態が“いけない”のです。


この記事を書いた人 夜のひととき編集部
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