
皆様こんにちは、夜のひととき です。
今回は、“彼氏”という存在を、実際の人間ではなく「SNSの中の理想像」として育てている女性たちについてお話しします。
本当に彼氏がいるわけではないのに、あたかも誰かが隣にいるような投稿。
あるいは「彼ぴが〜って言ってた」と、実在するか曖昧な相手について発信する——
現代のSNSには、“彼ぴの影”だけを巧みに育てる女たちが、確かに存在しています。
「いる風」投稿の違和感、気づいてますか?
たとえば、ストーリーに写った手元のグラスと反対側に置かれたもうひとつのグラス。
「久しぶりのデート」「今日も甘やかされました」と書かれた文章。
しかし、写真に本人以外の姿は写っていない。タグもない。相手が誰かは明かされない。
こうした“彼氏がいそうな気配”だけを漂わせる投稿は、完全な嘘ではなくとも、「真実を明かさないことで価値が生まれる」戦略です。
本当に彼氏がいるかどうかよりも、「誰かから大切にされてる私」という構図が、SNS上で承認を得るための大きな武器になっているのです。
“影”の方が都合がいい理由
実在の彼氏には、欠点があります。
LINEが遅い、言葉選びが雑、記念日を忘れる、会えない時間がある——
現実の関係には、理想どおりにいかない瞬間が山ほどあります。
その点、“彼ぴの影”は裏切りません。
毎日優しくて、好きって言ってくれて、いいねをくれるし、他の女の影もない。
妄想の中の彼氏は、常に自分の欲しい言葉だけをくれる存在としてカスタマイズできるのです。
つまり、“彼ぴ”とは、恋人というより「愛される私を美しく見せる小道具」になっている場合も多いのです。
SNSという“見せ恋”のステージ
彼氏の存在は、SNS上では“証明”のように機能します。
「私は誰かから選ばれている存在です」「誰かにとって特別です」というサイン。
それをストーリーやポストでちらつかせることで、同性からの羨望や異性からの興味を引く。
リアルな恋愛ではなく、“恋愛している自分”を演出することが目的化していくと、
やがて「彼氏がいること」ではなく、「彼氏が“いる風”に見えること」が重要になっていくのです。
“影の彼ぴ”がリアルを壊す瞬間
しかし、この“彼ぴの影”を育てすぎると、実際の恋愛がうまくいかなくなることもあります。
本当に彼氏ができても、「SNSに映えない恋愛はつまらない」と感じたり、
理想を投影しすぎて相手にガッカリしてしまったり——
自分の中の“完成された彼ぴ像”がリアルな相手を上書きしてしまうのです。
また、SNSでの演出を崩したくないがために、付き合っていることを秘密にしたり、
彼氏に対して「SNS用の言動」を要求するようになってしまうケースもあります。
最後に:“恋してる風”と“愛されてる現実”は違う
SNSで“彼ぴの影”を育てることは、楽しい遊びであり、心の逃げ場になることもあります。
でも、その影が本当の人間関係を侵食し始めたとき、孤独はむしろ深くなるかもしれません。
本物の恋は、カメラに映らなくてもちゃんと温度があって、
バズらなくてもちゃんと心を動かしてくれるものです。
“見せたい私”と“本当に誰かと生きる私”、その間で揺れながら、
今の時代を生きる私たちは、今日もスマホ越しに愛を描いているのかもしれません。
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